デストラーデが語る大谷翔平。「彼の価値はイチローより大きくなる」 (4ページ目)

  • 杉浦大介●写真・文 text & photo by Sugiura Daisuke

――長く野球に関わってきたデストラーデさんにとっても、いわゆる"二刀流"の出現は驚きでしたか?

「投打両方をこなす消耗は半端ではないので、メジャーでそれを実行できる選手が出てきたことは驚きでした。ただ、冷静に考えれば、特別なことではなかったのかもしれません。スポーツに限らず、たとえば、テクノロジーの世界でもすべてが進歩していて、誰もが"次のステップ"を目指しているからです。

 野球界でも、高校、大学で95マイル(約153キロ)の速球を投げ、打力も備えた選手は存在します。レイズのブレンダン・マッケイという選手も、マイナーで投打両方の腕を磨いている真っ最中です。マッケイもすばらしい才能を備えた選手ですから、いずれメジャーで"二刀流"をやるかもしれません」 

――大谷選手は野球選手に必要なものをすべて備えた選手にも思えますが、デストラーデさんにとって印象的な能力は?

「まず打者としては、打球を反対方向に飛ばすパワーです。外角の球をセンターからレフト方向に飛ばすパワーは、現役の左打者では最高級でしょう。ビューティフルなスイングで、425フィート(約130m)の大飛球を軽々と打ってしまう。技術的に学ぶべきことはまだあると思いますが、あれほどのパワーは教えても身につけられません。

 投手としては、快速球をスムーズに投げ込んでくることが印象的で、先ほども言いましたが好調時のダルビッシュを彷彿とさせます。流れるようなフォームで、ボールが腕から飛び出してくるようです。彼が投じるストレートは、常に102マイル(165キロ)くらいに見えますね」

――エンゼルスの大谷選手の起用法は、「慎重すぎる」という声もありますが。

「私もそう思いますよ。現代ではとにかく故障を避けることに熱心で、エンゼルスに限らず、メジャーリーグ全体が慎重になってきています。20年前に比べ、日本もアメリカも少し慎重すぎると感じていますが、これが時代の流れであることは理解しています」

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