Dバックス顧問が分析。関西人・
平野佳寿に必要なのは「完璧な落ち」

  • 高橋博之●文 text by Takahashi Hiroyuki
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

 オールスターも終わり、トレード期限が迫ってきた。ダイヤモンドバックスと激しい首位争いを繰り広げているロサンゼルス・ドジャースは、ボルティモア・オリオールズの強打者、マニー・マチャドを獲得。これからの戦いは今まで以上に厳しさが増す。今後、チームは平野にどのような役割を求めてくるだろうか。

「リリーフ陣については、開幕当初こそ固定しきれていなかったけれど、チームの状態が上がってきてから固定できるようになりました。でも、ここにきてクローザーは不安定ですし、役割も崩れ始めています。これからどうなるかわかりませんが、どのポジションでも平野はやれると思います」

 そして「メジャーはここからが本番」と小島氏は強調する。

「7月のトレードデッドラインが終わって、10月のプレーオフに向けてすべてが研ぎ澄まされていきます。前半戦の2倍、3倍の集中力できますから。今まではオープン戦みたいなものですよ(笑)」

 NPBで数多くの経験を積み重ねてきた平野といえども、ここからのメジャーの戦いは未体験ゾーンだ。

「コンディションの問題さえなければ、平野ならロースターに入っていけると思います。相手の集中力が格段に違ってくる空気のなかで、フォークのコントロールの水準をどこまで維持できるかがカギになります。ただ、いくら未体験とはいえ、これまでの経験値が高いから焦る必要はありません。今までのようにフォークを低めにしっかりコントロールして、抑えても打たれても何事もなかったように振る舞うことが大切です。

 今後については、チームが中継ぎを補強したら役割も変わってくるかもしれません。その結果、たとえ負け試合に投げるようになってもいいんですよ。チームにとって重要なピースであることには変わりありません。ロースターに入っているということこそ、本当にすごいことなんですから。よほどのことがない限り、平野なら大丈夫だと思います」

 移籍1年目にして確固たる地位を確立した平野。次なる目標は、プレーオフに進出することだ。チームの大切なワンピースとなって、平野は最後まで腕を振り続ける。

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