2018.07.10

バリバリ鍛えた田中将大。故障明けも
パワーアップで先発ローテ復帰

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 7月9日時点でヤンキースは58勝29敗。レッドソックスと2ゲーム差の2位で、メジャー全体でも2位の勝率を残している。今季は"宿敵"レッドソックスとシーズン終盤まで激しく地区優勝を争うことになりそうだが、そのレースに敗れても、ポストシーズンに進出する可能性は高そうだ。

 ただ、昨季にア・リーグの優勝決定シリーズでアストロズに3勝4敗と敗れたヤンキースにとって、目標はワールドシリーズ進出のみ。それを達成することを考えたとき、現在の戦力に疑問を呈する声もある。

 特に不安なのは先発ローテーションだ。

 まず、昨季のトレード期限に獲得し、本来はルイス・セベリーノ、田中とともに3枚看板となるはずだった28歳のソニー・グレイが大誤算となっている。今季のグレイは5勝7敗(7月9日時点)。防御率5.85は80イニング以上投げた投手の中でメジャーワースト3位で、本拠地のヤンキースタジアムでは8試合で被打率.329、防御率8.25と痛打されているのが目につく。

「(ニューヨークは)投げるのが簡単な場所ではない。彼の持ち球自体は間違いなく素晴らしい。あとはヤンキースの投手として成功できるように助けていくだけだ」

 1年前に大きな期待を持ってこのグレイを獲得したブライアン・キャッシュマンGMは、6月下旬にそう述べていた。しかし、我慢にも限界がある。グレイはヤンキースに移籍してからのレッドソックス戦では0勝4敗、防御率9.35とメッタ打ちにあっており、ローテーション落ちの危機が迫っていることは間違いない。

 さらに、先発5番手が予定されたジョーダン・モンゴメリーも、左肘のケガで5月に故障者リスト入り。これらの背景から、「ヤンキースが7月下旬のトレード期限までに先発投手を獲得する」という噂があり、キャッシュマンGMもそれを否定していない。

 そんな状況下だからこそ、田中が復帰することには大きな意味がある。

 離脱前までの田中は13試合で7勝(2敗)を挙げた。防御率は4.58と必ずしもベストの出来ではなかったが、大谷翔平が所属するエンゼルスとの2試合では目の覚めるような内容で観客を魅了している。