大谷翔平フィーバーに密着した米記者の結論は「我慢強く見守るべき」 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

――アジャストには時間が必要ですから、マイナーで経験を積ませるのも悪いオプションではなかったように思えます。ビジネス面で考えても、※4月半ばまで待てば保有権が1年延ばせること、大谷昇格のゲームを"第2の開幕戦"として大々的に売り出せることなど、開幕マイナースタートはさまざまな意味で理にかなっていたように思えます。

※MLBでは、メジャー契約を結ぶ40人枠に登録された日数が172日で1年と換算し、6年でFA権を取得できる。2018年はシーズン開幕から終了まで187日間あるため、16日以上マイナーで過ごせば172日に届かず、チームは大谷の保有権を1年延ばすことができる

「まさにその通りですが、周囲の喧騒を考えると、チームが大谷をマイナーでじっくり育てるのは難しかったのでしょう。防御率2.50、打率.300くらいの数字を残さなければ大谷は"失敗"の烙印を押されるでしょうが、大谷が大変なことをやろうとしていることを忘れるべきではありません。

 彼はまだ23歳なのです。同じ年齢の他の選手たちは、投げるか、打つか、そのどちらかしかやらないにも関わらず、まだほとんどがメジャーで活躍する準備ができていない。年齢と経験を重ねてスターになる選手はたくさんいますから、ファンは大谷のことも我慢強く見守る必要があるのですが......。その時間が与えられないのではないかという点は危惧(きぐ)しています」

――今季、まずまずの前評判で開幕を迎えるエンゼルスの、プレーオフ進出の可能性はどれくらいあると見ていますか?

「エンゼルスには間違いなくチャンスがあると思います。今年のチームには駒が揃っている。去年は先発投手7人のうち、6人が故障して長い期間を離脱しました。そのうちの半分でも健康を保つことができれば、エンゼルスはワイルドカードの2番手でプレーオフに出られると予想しています。そして、大谷が笑顔でいられることを願っています」

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