イチロー獲得で、マリナーズは「こんなに良いことずくめ」を検証する (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 この言葉を聞いて感じたのは、今のイチロー選手は個人記録を伸ばすことよりも、チームが勝つこと、マリナーズが優勝することを第一に考えているに違いないということです。昨年のマリナーズは西地区3位に終わりましたが、シーズン中盤の8月9日時点までは59勝56敗と勝率5割以上をキープし、地区2位のワイルドカード圏内でした。今年の戦力を考えても、プレーオフに進出できるチャンスは十分にあるチームなのです。

 イチロー選手はこれまで偉大な記録を数多く作ってきたにもかかわらず、いまだワールドシリーズへの出場が叶っていません。また、マリナーズ自体もその舞台に立ったことがないので、それが実現すればイチロー選手はまたひとつ大きな仕事を達成したことになるでしょう。マリナーズの帽子で野球殿堂のレリーフに入るとき、イチロー選手がどれだけ多くの業績を成し遂げているのか楽しみです。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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