イチロー獲得で、マリナーズは「こんなに良いことずくめ」を検証する

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 現地の3月7日、所属球団の決まっていなかったイチロー選手がシアトル・マリナーズと1年契約を結び、ようやく2018年シーズンに向けてスタートを切りました。オープン戦ではさっそく懐かしいマリナーズのユニフォーム姿を披露し、その一挙手一投足に注目が集まっています。

イチローには「マリナーズ51番」のユニフォームがよく似合うイチローには「マリナーズ51番」のユニフォームがよく似合う マリナーズがイチロー選手を獲得した理由として、もっとも多く報じられていたのは「外野手の駒不足」でした。そこで、まずは今季のマリナーズ外野陣について触れていきましょう。

 センターはディー・ゴードン。昨年オフにマイアミ・マーリンズからトレードで加入した俊足の29歳です。本来はセカンドですが、そのポジションには主軸のロビンソン・カノがいるため、今季はセンターにコンバートされました。

 レフトはベン・ギャメル。元メジャーリーガーの兄(マット・ギャメル)を兄に持つ25歳です。2016年にニューヨーク・ヤンキースでメジャーデビューし、昨年レギュラーの座を掴みました。

 そしてライトはミッチ・ハニガー。2012年にミルウォーキー・ブルワーズのドラフト1巡目追補でプロ入りした27歳です。アリゾナ・ダイヤモンドバックスから移籍1年目の昨シーズンは2度の故障者リスト入りとなりましたが、16本塁打を放って頭角を現しました。

 キャンプが始まるまでは、この3人でマリナーズの外野は安泰と見られていました。しかし、ギャメルが右脇腹を痛めて全治4~6週間と診断され、ハニガーも右手首痛で離脱。また、「第4の外野手」ギレルモ・ヘレディアも昨年10月に右肩の手術を受けたため、まだ回復途中の段階です。

 このように外野の駒が手薄となったことから、マリナーズはイチロー選手の獲得に至りました。イチロー選手は本職のライトだけでなく、現在はセンターでもレフトでも守れる安心感があります。特にギャメルは開幕時に間に合いそうもないので、まずはレフトを埋めることになるのではないでしょうか。

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