大谷翔平のア・リーグ新人王を阻む、今季の「怪物ルーキー」は誰だ? (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

 今年の開幕時はマイナーからのスタートかもしれません。ただ、パワーがあって広角に打てるシュアなバッティングはすでにメジャーでも通用するレベルなので、早々に昇格するでしょう。

 次に紹介したい選手は、シカゴ・ホワイトソックスのマイケル・コペック(21歳/右投右打)です。彼はテキサス出身の若き豪腕投手で、2014年にドラフト1巡目・全体33位でボストン・レッドソックスに入団しました。しかし2015年、薬物規定違反により50試合の出場停止処分を受けてしまいます。そして処分が明けた後の2016年12月、クリス・セールとのトレードでホワイトソックスに移籍しました。

 昨年はホワイトソックス傘下のダブルAとトリプルAで投げ、合計25試合に先発して9勝8敗・防御率2.88をマーク。そのなかで特筆すべきは、134イニング3分の1で172個もの三振を奪っている点でしょう。最大の武器である速球は最速105マイル(約168キロ)。これは2016年7月にチャップマンがマークした最速105.1マイル(約169キロ)に次ぐ世界2位の記録です。

 スカウティングレポートの数値による評価を見ると、その速球は大谷選手と同じ最高の80点。スライダーも大谷選手に並ぶ最上位の65点でした。コペックは大谷選手よりも2歳年下なので、将来がとても楽しみな逸材です。

 MLB公式サイトが選出した若手有望株ランキングによると、そのなかの右投手部門において1位は大谷選手、そして3位がコペックでした。ちなみに2位はヒューストロン・アストロズのフォレスト・ウィットリー(20歳/右投右打)、4位はタンパベイ・レイズのブレント・ハニーウェル(22歳/右投右打)。ただ、この両者はいずれもアクシデントによって、今シーズンの新人王レースに参加できそうにありません。

 ウィットリーは昨年世界一に輝いたアストロズの若手有望株ナンバー1で、将来のエース候補と目されている逸材です。しかし2月21日、ウィットリーは薬物規定違反で50試合の出場停止処分となってしまったのです。超有望株の違反ニュースは全米で大きな話題となりました。

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