「1億ドル男」ダルビッシュが、
カブスから課せられた最低ノルマは?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

 そして2017年は、レスターが13勝8敗・防御率4.33・180奪三振をマークしたのに対し、アリエッタが14勝10敗・防御率3.53・163奪三振と、勝ち星・防御率ともにレスターをしのぎました。

 もちろん、レスターの活躍ぶりもすばらしいです。毎年コンスタントに好成績を残し、しかもケガによる欠場もほとんどありません。メジャー12年間で200イニング以上投げたシーズンは計8回。このタフネスぶりがあるからこそ、近年のカブスは強さを維持できているのでしょう。

 ダルビッシュがレスターをしのぐ成績を残すためには、まずはシーズン200イニングを突破することが最低限のノルマだと思います。テキサス・レンジャーズ2年目に209イニング3分の2を投げましたが、メジャー6年間で200イニング突破はこの1回しかありません。右ひじのトミー・ジョン手術もありましたので、この大台はひとつの目安となります。

 まずはレギュラーシーズンで先発ローテーションを守り、毎回の登板で少しでも長いイニングを投げ、最終的に200イニングを突破すること。これがダルビッシュ投手に課せられた最低限のラインです。200イニングを突破できれば、ダルビッシュ投手なら最多勝や奪三振のタイトルも狙えるでしょうし、サイ・ヤング賞候補にも名前が挙がるでしょう。

 ただ、それ以上に重要なのは、プレーオフでの活躍です。カブスは今年もプレーオフに進出する実力があるので、首脳陣もそれを念頭に置いていると思います。

 カブスの先発陣は過去、プレーオフの舞台で結果を残してきました。エースのレスターはご存知のとおり2007年と2013年のボストン・レッドソックス時代、さらに2016年のカブスでも世界一に貢献し、ワールドシリーズの成績は通算4勝1敗・防御率1.77。大舞台に強い絶対的な存在です。

 アリエッタは2016年のワールドシリーズで第2戦と第6戦に先発し、いずれも6回途中まで投げて1失点と2失点。2試合とも勝利投手となっています。一方、若手のヘンドリックスも2016年のワールドシリーズでは第3戦と第7戦の2試合に先発。勝ち星こそつかなかったものの、いずれもゲームをきっちりつくって防御率1.00という結果を残しました。

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