イチロー移籍報道の真実。代理人は日本復帰を「考えたくない」と明言 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 これほどスローペースになった理由としては、2016年に締結された新労使協定で"ぜいたく税"の税率が厳しくなったことや、データ重視のGMが増えたことで各チームが長期契約を嫌う傾向にあること、1年後のオフが"大豊作"ゆえに経費削減を目指すチームが多いことなどが挙げられる。

 それでも、ダルビッシュ、ジェイク・アリエッタ、エリック・ホズマーといった大物たちは、最終的には総額1億ドル(約111億円)前後の大型契約を得るはずだ。ただ、こうしてトップの決断が遅れていることは、中堅、もしくはメジャー当落戦上にいるFA選手たちをより厳しい状況へと追い込んでいる。必然的にその去就はさらに後回しになり、準備の時間と選択の余地が限られてしまうのだ。

 イチローに関しても、いずれレギュラー格の選手が確定したチームから何らかのオファーが届くとしても、2月~3月まで持ち越される可能性が高い。昨季のイチローは、長打率で自己ワースト2位、守備防御点でも「-1」と優れた数字が残せなかっただけに、条件は相当に厳しいものになるはずだ。

 どこかのチームとマイナー契約を結んだ上で、春季キャンプに招待されるという悪条件になる可能性も十分にあり得る。また、未所属のままキャンプが開始され、外野手にケガ人が出たチームから急に声がかかるということもあるかもしれない。

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