イチロー移籍報道の真実。代理人は日本復帰を「考えたくない」と明言 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 もっとも、44歳になったイチローの"就職活動"が簡単ではないことは、かねてから予想されていた。スター選手やレギュラークラス、年俸の高い選手から順に行き先が決まっていくのがシーズンオフの通例で、昨季は年俸200万ドル(約2億2000万円)の控え選手だったイチローの去就が後回しになるのは当然のことだからだ。

 代理人のボッグスは、記事内で「(日本球界復帰は)本当に考えたくない」とも語っており、正式に日本行きについて述べたわけでもない。したがって、この記事のタイトルに関しては、ほぼ"飛ばし"だと言っていい。

 メジャーでの来季のチーム探しを考えると、イチローの立場がより厳しくなっているのは事実だろう。なぜなら、今オフはMLB史上でも空前のスローなオフシーズンになっているからだ。

 アメリカで最も権威のあるスポーツ総合誌の『スポーツ・イラストレイテッド』や『ESPN.com』が発表した、FA選手ランキングのトップ10にランクされた選手のうち、1月17日の時点で来季の所属チームが決まっているのは、わずかに2人だけ。

 春季キャンプ開始前まで1カ月を切ったにもかかわらず、ダルビッシュ有をはじめとする多くのスター選手たちが依然として契約交渉を続けている。新たに3年以上の契約をゲットした選手は皆無であり、さまざまなな意味で"異常事態"なオフだと言えよう。

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