大谷翔平の二刀流を最大に生かす年間ローテを考えてみた(日程表付き) (5ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 大谷が2018年のシーズンから、いきなりメジャーでフルにプレーすることを期待するのがお門違いであることは重々、承知している。さらに、エンゼルスのローテーションがまだ不確定であること、エンゼルスの2018年のDHのレギュラーがアルバート・プホルスであることも含んだ上で、これはあくまでも2018年のスケジュールをモデルケースにシミュレートした大谷の起用法だということをご理解いただきたい。

 もちろん、東海岸にありがちな雨によるスケジュールのズレやピッチャーの故障など、ローテーションが狂うことはいくらでもあるだろうし、大谷がプホルスに代わってファーストを守ることだって、ないとは言えない。そうした不確定要素をここに反映することはできないが、あくまでも機械的に2つのパターンにはめて大谷を運用してみると、意外なことがわかってくる。

 まず、ピッチャーの大谷をローテーションの5番手として中4試合で起用すると、シーズンの先発機会は31試合になる。その場合、DHでの出場は80試合だ。しかし中4試合にこだわらず、大谷を中7日以上で起用すると、20試合の先発と、107試合のDH出場を確保できる。その場合、間隔をあける大谷の代わりに先発が必要となるのは12試合ということになり、そのくらいの試合数なら中継ぎ陣の中から誰かを先発として登用することも可能だろう。

 フルに先発で31試合に先発させた結果、DHの出場を減らしてしまうのと、中7日以上の余裕を持たせて20試合に先発させ、DHとしてできるだけ出場試合数を増やすのと、どちらが大谷を生かし、チームを勝たせることができるのか――答えは後者であると、球史が示している。

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