打者・大谷翔平を襲うメジャーの「魔球&ウルトラ速球」の持ち主たち (4ページ目)

  • 永塚和志●文 text by Nagatsuka Kazushi
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

ジェームズ・パクストン(シアトル・マリナーズ)

 これまで紹介した3人ほどの知名度はないが、エンゼルスと同地区のライバルであるマリナーズのジェームズ・パクストンの得意球についても触れておきたい。

 昨シーズン、自身キャリアハイとなる12勝、防御率2.98を記録したパクストン。この大躍進を支えたのが、球界屈指の呼び声が高いナックルカーブだ。左のスリークォーターから放たれるボールは本塁手前でストンと急激に落ちる。

 パクストンのストレート系の平均球速は約155キロだが、このナックルカーブの球速はおおむね130キロ前後。緩急差が大きく、打者はタイミングを合わせるのが難しい。

 ただ、ナックルカーブは制球が難しく、カウントが悪くなるとストレート一辺倒の配球になり、打たれるケースが多い。事実、昨年のパクストンは、ストライク先行時の被打率は.165だったのに対し、ボールが先行したときの被打率は.326というデータが残っている。大谷としてみれば、ボールをしっかりと見極め、バッティングカウントになったところでストレートを狙いたい。

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