打者・大谷翔平を襲うメジャーの「魔球&ウルトラ速球」の持ち主たち (3ページ目)

  • 永塚和志●文 text by Nagatsuka Kazushi
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

コーリー・クルーバー(クリーブランド・インディアンス)

 安定感抜群のピッチングで、昨シーズン最多勝(18勝)と最優秀防御率(2.25)のタイトルを獲得したインディアンスのコーリー・クルーバー。彼の安定感を示すのがWHIPである。

 WHIPとは、1投球回あたり何人の走者を出したかを示す数値で、与四球と被安打を足し、それをイニング数で割ることで求められる。一般的に先発投手の場合、1.00未満なら球界を代表する投手と言われているが、昨シーズンのクルーバーのWHIPは0.87。この数字もア・リーグトップで、いかにランナーを出さなかったかがわかる。

 かつては150キロ近いストレートが武器の本格派だったが、現在はスライダー、シンカー、チェンジアップと多彩な変化球を駆使して打者を翻弄する技巧派。なかでもクルーバーの代名詞となっているのがスライダーだ。

 横に曲がりながら最後は縦に落ちる独特の軌道で、クルーバー自身はスライダーでもカーブでもないという、まさに"魔球"である。アメリカのメディアからは、「ここ数年をさかのぼってもメジャーで最高の球のひとつ」という評価を受けた。

 はたして、これまで見たこともない"魔球"に大谷がどう対応していくのか。クルーバーとの対決は要注目である。

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