返り討ちだ! 大谷翔平の二刀流に
立ちはだかるメジャーの強打者たち

  • 永塚和志●文 text by Nagatsuka Kazushi
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

大谷翔平の二刀流を阻むメジャーのライバルたち~打者編

 2018年、大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)がいよいよメジャーデビューを果たす。注目はメジャーでも"二刀流"を貫くことができるのかどうかということだ。

 過酷なスケジュール、移動など前途は多難だが、何より大谷の前に立ちはだかるのはメジャーの強者(つわもの)ばかり。そこで大谷の強力なライバルになりそうな選手を紹介したい。まずは"投手としての大谷"に襲いかかる打者から。

昨シーズン、ア・リーグMVPに輝いたアストロズのホセ・アルトゥーベ昨シーズン、ア・リーグMVPに輝いたアストロズのホセ・アルトゥーベホセ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)

 2017年、ヒューストン・アストロズを球団史上初のワールドシリーズ制覇に導いたホセ・アルトゥーベ。身長168センチと小柄ながら、うまさと強さを兼ね備え、昨シーズンは打率.34624本塁打、81打点をマークし、ア・リーグMVPにも輝いた。

 なかでもアルトゥーベはストレートにめっぽう強い。昨年のメジャーのストレートの平均球速は148.5キロで、この球速を超えたときの平均打率は.254なのだが、アルトゥーベは.432という高打率を残している。昨年のプレーオフでも、ヤンキースのチャド・グリーン、アロディリス・チャップマンといった160キロを超す一級品のストレートをものの見事に打ち返した。

 一方で変化球にも強く、ストレート以外の球種に対しても打率.337打っており、弱点が見当たらない。

 また、アルトゥーベはその脚力でも大谷を悩ませるかもしれない。昨シーズンの盗塁数はア・リーグ3位の32個を誇り、内野安打はメジャートップの30を数えた。打席だけでなく、塁上からも大谷を揺さぶってくるに違いない。

 まずは塁に出さないことが先決だが、四球数が少ない(2017年は58個)アルトゥーベを打ち取るには、ストライク先行のピッチングでいかにカウントを優位にするが大事になってくる。

 168センチのアルトゥーベと193センチの大谷のマッチアップは、ア・リーグ西地区の名物になる可能性は大いにある。はたして、"小さな大打者"に対して大谷がどんなピッチングを見せるのか、興味が尽きない。

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