DeNA乙坂智も大暴れした中南米ウインターリーグの給料はいくら? (4ページ目)

  • 阿佐智●文・写真 text&photo by Asa Satoshi

 これが4大リーグとなると、選手の待遇はさらに良くなる。

 今シーズン、監督就任初年度にいきなり徳島インディゴソックスを独立リーグ日本一に導いた養父鉄(ようふ・てつ)は、ベネズエラとメキシコでプレーした経験を持つ。当時、養父はアメリカの2Aで3500ドル(約40万円)の月給を手にしていたが、ベネズエラでは5000ドル(約56万円)、メキシコでは8500ドル(約96万円)と米マイナーリーグを上回っていた。

 ほかの選手にも話を聞いたが、現在はメキシコのウインターリーグの報酬が一番いいようで、ドミニカ人のなかには母国ではなくメキシコをプレーの場としている選手も多い。

 その動きはカリビアンシリーズの結果にも表れており、かつて向かうところ敵なしだったドミニカだが、近年は優勝から遠ざかり、逆にメキシコが優勝を重ねるようになってきている。

 いずれにしても、ウインターリーグの報酬は、日米のトップリーグには遠く及ばず、したがって"武者修行"という目的がなければ、NPBの日本人選手が足を運ぶ必然性は少ないだろう。

 とはいえ、ある意味、成績を気にすることなくいろんなことを試すことができるウインターリーグは、いつもと違った経験ができる貴重な場である。ファンにとっても野球が恋しいオフシーズンに、贔屓球団の選手が海を渡ってプレーすることは話題となり、そうした意欲的な選手には大きな期待を抱くだろう。そういう意味でも、ウインターリーグの存在はこれからますます大きくなっていくに違いない。

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