大谷翔平はベーブ・ルースになれるか。
メジャー史に見る二刀流の苦難

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 その結果、「ドラフト史上最高の二刀流プレーヤー」と話題になったウィンフィールドは1973年、ドラフト1巡目全体4位でサンディエゴ・パドレスから指名を受けました。ただし、その指名は投手ではなく外野手としてのものでした。ちなみに、ウィンフィールドの能力を高く評価したのはメジャーリーグだけではありません。同年に行なわれたNBAのドラフトではアトランタ・ホークスから、さらにはNFLのドラフトでもミネソタ・バイキングスから指名され、3つのプロスポーツでドラフト指名されるという離れ業を成し遂げたのです。

 最終的にパドレスと契約したウィンフィールドは、ドラフト指名からわずか2週間後にマイナーリーグを経験せずにメジャーデビュー。ずば抜けた野球センスで早々にレギュラーの座を奪取し、オールスターに12回選出されるなどメジャーを代表するスラッガーとなりました。1995年まで現役を続け、メジャー22年間で通算465本塁打、3110安打を記録。見事に殿堂入りを果たしています。

 そしてもうひとり、往年のプレーヤーで挙げるならば、2001年にイチロー選手がシアトル・マリナーズへ入団したときのチームメイト、ジョン・オルルドでしょう。

 オルルドもワシントン州立大学時代から「二刀流プレーヤー」として注目を集めた逸材でした。ピッチャー兼一塁手として活躍し、1988年の大学2年時にはアメリカ大学野球史上初めて「1シーズン15勝・20本塁打」をマーク。1987年~1988年と2年続けてNCAA年間最優秀選手に選出されるなど、大学球界で確固たる地位を築いたのです。

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