ヤンキース脱落にみる大谷翔平の志向から「地味な2球団」が本命に浮上 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

 もともと、日本でも人気のあるMLBチームであり、今季は多くの若手タレントが芽を出したことで、これから先は優勝を争うシーズンが続くことも予想される。そういった状況だけ見れば、大谷がヤンキースを選ぶことは「理にかなう」と考えた人が多かったのも無理はない。

 しかし現地時間の12月3日、交渉が解禁されてからわずか2日後に、「ヤンキースは(移籍先の)候補に含まれていない」という衝撃的なニュースが飛び込んできた。ヤンキース以外にも、レッドソックス、メッツ、ナショナルズといった東海岸の大都市チームは対象外。さらに、ダイヤモンドバックス、アスレチックスといった有力チームも"落選"を知らされたという。最終的に競り負ける可能性はあったとしても、大谷側との最終ミーティングにすら残れなかったことは、ヤンキースの首脳陣を驚かせたに違いない。

 ただ、振り返ってみれば、アメリカで出回っていた"ヤンキースが本命"という趣旨の記事に目を通しても、説得力のある理由づけはほとんど出てきていなかったのが事実である。いわく、「ヤンキースのブランドは日本では大きいから」「大抵の日本人選手はヤンキースかドジャースを望むから」「ヤンキースはベーブ・ルースがスターになったチームであり、スタジアムは"ルースの建てた家"と称されているから」など、曖昧なものばかりだった。

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