ついにマエケンも失点。救援陣ガス欠のドジャースは息を吹き返せるか (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 先発に無理をさせず、ブルペンにつなぐのがドジャースの必勝パターン。そのやり方でシーズン104勝を挙げ、ワールドシリーズまで勝ち上がってきたのだから、継投重視の策は正しかったのだろう。

 ただ......延長11回までもつれたシリーズ第2戦の逆転負け、第3戦に先発したダルビッシュ有が2回途中で降板したことなど、ここにきて誤算が続いている。そのあおりを受けて、リリーフ陣にこれまで以上の負担がかかることになった。シーズン中から蓄積された疲労に加え、より大きなプレッシャーのかかる試合が続いた影響が出始めているのだとすれば、ロサンゼルスに戻って迎える第6、7戦でも不安が消えることはない。

 10月31日の第6戦はヒル、第7戦はダルビッシュが先発予定で、彼らの出来がポイントとなるのは当然のことだ。しかし、たとえ好投したとしても、先発投手はこれまで通りに100球以内で交代することになるだろう。ロサンゼルスに舞台を移しての最終決戦でも、やはり継投が重要になる可能性は高い。今季のドジャースはそうやって勝ち抜いてきたチームだからだ。

「ここまできたら切り替えるしかない。もう本当に最後。引きずっても仕方ない。どうあがいてもあと2試合だから、自分の調子とか体の状態というよりも、とにかくチームが勝つように頑張るだけだと思います」

 そう決意を語った前田や、ジャンセン、モロー、その他の救援投手たちに加え、第7戦ではカーショウのリリーフ登板もあるかもしれない。ここまでくれば総力戦。最後の力を振り絞って29年ぶりの世界一を手にするのか。それとも、このまま力尽きるのか。ロサンゼルスのゲームでも、終盤に再びドラマが待ち受けていることは間違いなさそうだ。

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