田中将大、NYでも「神の子」に。敵地ヒューストンでの救援登板はあるか (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 しかし、ア・リーグ優勝決定シリーズは20日の第6戦から再びヒューストンに舞台を移す。ヤンキースは敵地で少なくともひとつは勝たなければいけない。シーズン中は48勝33敗、プレーオフに入って4連勝とアストロズが自信を持つミニッツメイド・パークで、果たして残る1勝を手にできるのか。

「(今日の勝利は)率直に自分を褒めてあげたいと思います。でもこれで終わりではない。(次の登板が)どういった形になるかはわかりませんけど、やっぱり明日から準備していかないといけないと思います」

 第5戦が終了した後の会見で、田中はそう語って前を向いた。メジャーキャリアで最大の試練を経験した2017年の最後に、ワールドシリーズのマウンドに登るとすれば、そのストーリーはまるでハリウッド映画のようなドラマとなる。プレーオフでの勝負強さを見る限り、ヤンキースと田中はその方向に引き寄せられているようにすら感じられる。

 そんなミラクルストーリーを完遂するために、必要なのはテキサスでの値千金の1勝だ。第6戦で先発予定のルイス・セベリーノ、第7戦先発予定のCC・サバシア、その背後に控える強力ブルペンにすべてを託すのか。それとも田中にも中1、2日でのリリーフ登板があり得るのか。

 スリリングな予感とともに、MLB の2017年シーズンはいよいよ大詰め。田中が織りなしたドラマチックな物語も、間もなくクライマックスを迎えようとしている。

■MLB 記事一覧>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る