田中将大、NYでも「神の子」に。敵地ヒューストンでの救援登板はあるか (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 この試合の大きなポイントとなったのは、先頭のユリエスキ・グリエルに二塁打を打たれた2回表だろう。相手の先発投手がエース左腕のダラス・カイケルだっただけに、先制点は与えたくない状況だった。このピンチで、田中は後続打者を見事に3連続内野ゴロに斬って取る。

 特に興味深かったのは、ひとつアウトを取ってグリエルに3塁まで進まれてから、カルロス・ベルトランに対して2球目から速球を3連投したことだ。こういった場面での田中は、スプリットを多投して三振を狙いにいくことが多いが、この日の投球は毛色が違った。

「(ベルトランの時は)三振がベスト。結果的に、最後決めにいったボールが甘くて(バットに)当てられましたけど、それでも内野ゴロに抑えられた。真っ直ぐを続けたことは戦略的なところもあるので、(理由は)言えないですけど」

 本人に確認すると、2塁ゴロを打たせたベルトランへの5球目はスプリットだったというが、それ以外、このイニングに投げた13球のほとんどが真っ直ぐ系かスライダーだった。

 6イニングを2失点に抑えた第1戦同様、今シリーズの田中が速球系を重視しているのは、アストロズ打線の裏をかく狙いがあるのか。それとも単に真っ直ぐの出来が極めていいのか。答えはどうあれ、持ち球の質に自信を持っていなければできない配球だったことは間違いない。速球の状態が向上しているからこそ、スプリットとのコンビネーションが相乗効果を発揮していることも容易に想像できる。

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