プレーオフのキーマンに浮上。リリーフ前田健太がカーショウを救うか (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 このように「カブスの打撃力vs.ナショナルズの投手力」との構図になるならば、カギを握るのはナショナルズのリリーフ陣だと思います。ナショナルズは過去3回(2012年、2014年、2016年)ディビジョンシリーズを戦いましたが、いずれも勝ち越せずに敗退。しかも、その多くの試合ではリリーフ陣が崩れて負けてしまいました。

 その反省を生かすべく、ナショナルズは7月に他球団から一気に3人ものリリーフ投手を獲得。新クローザーのショーン・ドゥーリトル(2勝0敗24セーブ・防御率2.81)を筆頭に、ライアン・マドソン(5勝4敗2セーブ・防御率1.83)やブランドン・キンズラー(4勝3敗29セーブ・防御率3.03)を加え、今年こそ念願のディビジョンシリーズ突破を目指します。

 ナショナルズにとって好材料は、ブライス・ハーパー(打率.319・29本塁打・87打点)の復帰でしょう。8月12日に左ひざを負傷して42試合も欠場しましたが、9月26日に戻ってきてなんとかポストシーズンに間に合いました。チームの顔とも言うべき存在だけに、彼の復帰は非常に心強いと思います。

 そして我々日本人がこのカードで気になるのは、やはり上原浩治投手(3勝4敗2セーブ・防御率3.98)の調子でしょう。9月2日を最後に登板しておらず、今シリーズに出場できるのかは微妙な状況ですが、2013年にレッドソックスのクローザーとして世界一に輝いた実績と経験は、このポストシーズンでこそ生きるはず。今季ふたたびマウンドに立てることを願うばかりです。

3 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る