高橋尚成が斬るMLBポストシーズン。走れるレッドソックスに注目 (3ページ目)

  • 市來孝人●文 text by Ichiki Takato
  • photo by Getty Images

 ア・リーグ西地区を制したアストロズは、打線つながりよく、簡単に点を取れる印象のあるチームです。終盤はやや勢いが落ちましたが、シーズン序盤から中盤にかけての勢いは凄みがありました。短期決戦は勢いのあるチームが絶対的に強い。ブルペン陣にやや不安はありますが、アストロズは爆発力を秘めたチームといえます。

 ツインズはポストシーズンに進出したチームのなかでは、力は少し劣るかなと思っています。それでも今年16勝8敗と活躍し、ワイルドカードの先発が予想されているアービン・サンタナがフル回転すれば、可能性は広がると思います。

 サンタナとは、エンゼルス時代に一緒にプレーした経験があります。僕がエンゼルスに入団する2011年の前年に、松井(秀喜)さんが在籍していたこともあって、日本人に優しく、僕のことを「ヒサノリサン」と呼んでくれていました。厳しい戦いになると思いますが、とにかくいいピッチングをしてほしいですね。

 最後にレッドソックスですが、ワールドシリーズ進出はこのチームじゃないかと思っています。足を絡めた野球を実践できるようになって、確実にひとつ先の塁にランナーを進めている。昨年インディアンスがワールドシリーズに進出しましたが、まさに同じような戦いをしているのがレッドソックスです。

 チームの顔であった主砲のデビッド・オルティスが昨年限りで引退し、これまでのように長打力で点を取ることが厳しくなりました。そこで「足で戦っていこう」という方針を打ち出したのだと思います。状況に応じて、逆方向に打ってつなげる打者が多く、隙のない野球をしています。それに先発には大黒柱のクリス・セールがいて、ブルペン陣も多彩な顔ぶれが揃っています。

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