リベラやボンズも虜に。日本人トレーナーの
先駆者が見たMLBの裏側

  • 杉浦大介●写真・文 text & photo by Sugiura Daisuke

――メジャーのスケジュールは相当に過酷で、トレーナー陣も同じ日程で行動、移動しますが、厳しいと感じることは?

「私はボールパークが好きなので、朝早く球場に行かなければいけないことがあっても気にならないですね。自分の好きな世界で、特に今はメジャーリーグで仕事をして飯が食えている。贅沢ができるわけじゃありませんが、とてもハッピーなことです」

――今では、多くのチームで日本人マッサージ・セラピストが活躍するようになっていますね。 

「みんな重宝されていると思いますよ。マッサージ・セラピストは、レッドソックスにも上原浩治投手が連れてきた方がそのまま残っています。それからアストロズ、ジャイアンツ......6、7球団くらいにいるんじゃないでしょうか。さっきも話した通り、私たち日本人がやるマッサージは治療なんです。アメリカ人や、ラテン系のマッサージ師はたくさんいますが、目的や目指しているものが違う。治療を受けている選手たちは、わかってくれていると思います」 

――アメリカで培ったノウハウや知識を、将来的に日本で活かすという気持ちはありますか? 

「プロ野球ではないかもしれませんが、将来は日本でいろいろなアスリートを治療したいという気持ちはあります。あと、日本の子供たちに、身体の動きに関してしっかりした指導をしてみたいです。

それがいつになるかは、わからないですけどね。今は、メッツでの仕事を全うすることに集中しています。私は西海岸に家があって単身赴任中なので、家族になかなか会えないのはつらいですが、治療した選手が活躍してくれたら、こんなにうれしいことはありません。また、2年前のようにワールドシリーズまで勝ち進んでくれることを願っています」 

■MLB 記事一覧>>

6 / 6

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る