史上最速ダルビッシュでも止められない、史上最高ドジャースの急失速 (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 そんな達観したような言葉だけでなく、「前回よりもよくなっていた」「プロセスを1歩1歩踏めている」といったポジティブなコメントも少なくなかった。実際に、前戦のパドレス戦では3回8安打5失点と打ち込まれたが、不運な打球も多かったロッキーズ戦の投球内容は、数字が示すほどに悪くない印象だった。

 ドジャースのデイブ・ロバーツ監督も、「勇気づけられる登板だった。いい球を投げていた。現時点では結果ばかりに捉われるべきではない」と述べている。最近のダルビッシュはフォーム矯正に取り組んでいるが、それがいい方向に向かっているのだろう。ポイントは、約1カ月後に迫ったプレーオフまでに、その"プロセス"を終えて結果を出せる状態まで持っていけるのかどうかだ。

 過去、4年連続で早期敗退を繰り返しているだけに、今秋はドジャースにとって絶対に負けられないポストシーズンになる。ダルビッシュにとっても、今オフにはFAになるという事情もあり、プレーオフが極めて重要な意味を持つことは言うまでもない。試行錯誤を続けている現状はベストではないが、まだ時間はある。

 最大の舞台にどんな状態で臨むか、ドジャースが手に入れた"最後のピース"の行方から目が離せない。

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