青木宣親の来季はメッツ残留か?ヤクルトか? ここが勝負の1カ月 (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 資金難のメッツが、青木に今季の年俸(550万ドル=約6億円)以上を支払うとは考え難い。だが、交渉の末に200万~400万ドル程度の金額に抑えられれば、再契約は悪くない選択だろう。コンフォルトが開幕に間に合わなかった場合に、セスペデス、FAの補強選手に加え、第3、4の外野手としてラガレス、青木をプラトーン起用できるからだ。

 もちろん、メッツが他の選手を起用することもあるだろうし、青木のほうに他チームから好条件が提示されることも考えられる。ただ、これまで述べてきた通り、金銭やプレー機会など、さまざまな条件でメッツと青木は"ベストマッチ"に思えてくる。

 メッツは元来、日本人に縁が深い球団だ。吉井理人、野茂英雄、新庄剛志、松井稼頭央など、多くの日本人選手がメッツでプレーしてきた。1996年から2002年まではボビー・バレンタインが監督を務め、現在はコリンズが指揮を執っている。それゆえ、日本人選手を受け入れる素地があり、その扱い方も熟知しているのだ。

 ニューヨークで"再生"するためには、打撃面はもちろん、スピードやリーダーシップなど、上位進出を狙うチームで貢献できるだけの力を示さなければならない。青木自身も、「一番大事なのは結果を残すこと。毎日、全力でやるだけだと思います」と話す通り、残る1カ月が極めて重要な期間であることを理解している。

 熾烈な椅子取りゲームが行なわれているメジャーリーグは、来年1月に36歳を迎える青木にとって厳しい職場であることは間違いない。しかし、ここ数試合の動きを見る限り、来季もメジャーでキャリアを積み重ねられる可能性は十分にある。ベテランが最後の勝負を挑む"セカンドチャンスの街"として知られてきたニューヨークでの、青木の勝負の1カ月から目が離せない。

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