青木宣親は「負け組」じゃない!
メジャーリーグ夏のトレード総決算

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 一方、ナ・リーグでこの夏の「勝ち組」を挙げるならば、ダルビッシュ投手を獲得した西地区のドジャースはもちろんのこと、中地区のシカゴ・カブスも紹介すべきでしょう。

 シーズン前半戦を終えた時点で、カブスは43勝45敗のナ・リーグ中地区2位。首位のミルウォーキー・ブルワーズに5.5ゲーム差をつけられていました。その最大の原因は、先発投手陣の不調です。

 昨シーズン108年ぶりの世界一に輝いたとき、カブスの先発投手陣はメジャートップの防御率2.96をマークしました。しかし、今シーズン前半戦はナ・リーグ8位の防御率4.66。1点以上も成績が悪化し、あきらかに調子を落としていたのです。

 それを改善するため、カブスはオールスター期間中の7月13日にホワイトソックスから先発左腕のホセ・キンタナを獲得しました。昨シーズンは13勝12敗でオールスターに初選出されたコロンビア出身の28歳左腕です。今シーズン序盤は成績を落としていたものの、6月には5試合の先発で防御率1.78と、徐々に調子を取り戻してきていました。

 キンタナは日本での知名度が低く、どんなピッチャーなのかご存知でない方も多いかと思います。しかしながら、キンタナは2013年から4年続けて200イニング以上を投げ、毎シーズン防御率3点台をキープし、さらには三振の数も毎年180個前後マークしている好投手なのです。アメリカ国内でも過小評価されている先発ピッチャーのひとりではないでしょうか。

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