青木宣親は「負け組」じゃない!メジャーリーグ夏のトレード総決算 (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 32歳のロバートソンは、2008年から7年間ヤンキースに在籍した右腕。2014年には「史上最高のクローザー」と呼ばれたマリアノ・リベラの後継者として新守護神を務めていました。また、28歳のケインリーもヤンキースのマイナー出身という経歴を持ち、今シーズンはホワイトソックスで36イニングを投げ、計60奪三振を記録している右の豪腕ピッチャーです。

 今シーズンのヤンキースのリリーフ陣は、昨年と比べて不安定な内容が続いていました。ふたりを獲得した時点で、セーブに失敗した回数はメジャー最多となる18試合。これはすでに昨年のシーズン全体でチームが記録した数字を上回っています。クローザーのアロルディス・チャップマンのコントロールが例年より定まっていないので、彼を支えるべくリリーフ陣の底上げを図ることに成功しました。

 三塁手のフレイジャーは2015年のシンシナティ・レッズ時代、オールスターゲーム前日のホームランダービーで優勝したこともあるパワーヒッターです。昨シーズンはホワイトソックスで自己最多の40本塁打をマークしています。

 フレイジャーの加入により、スイッチヒッターのチェイス・ヘッドリーを三塁から一塁にコンバートすることが可能となりました。今年のヤンキースは一塁手と三塁手の不振に泣いており、その穴を埋められるスラッガーを求めていたのです。フレイジャーはその弱点をカバーするのに最適な存在でしょう。

3 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る