中日再建の秘密兵器か。大塚晶文コーチ兼スカウトが米国で「宝探し」 (4ページ目)

  • 阿佐智●文・写真 text & photo by Asa Satoshi

 さっきも言いましたが、僕も選手でしたからわかるんですけど、やっぱり文句を言ったり、態度に出たり......そういう選手は日本でやっていくのは難しいと思います。不満があっても、そこをグッと我慢できる選手が日本に向いている。どこに行ってもそうなのですが、監督やコーチにはそれぞれのやり方があるし、同じようにチームのやり方もいろいろある。その場にいて、そのやり方をしっかり受け入れてやる選手でないと、難しいと思うんですよね」

 個を重視するアメリカと和を重視する日本の野球観の違いから、実力を発揮できずに去った外国人選手を挙げればきりがない。しかし近年は、個人主義のアメリカと集団主義の日本という図式にも変化が現れてきていると大塚は言う。

「今はメジャーでも性格面を重視しているんですよ。技術よりも性格面で昇格を決めることもあります。たとえば、3Aからメジャーにコールアップするとき、成績よりもクラブハウスでの言動を重視するとかね。チームの和を乱すような選手は上げないようになっています。だから、真面目で一生懸命というのは、スカウトする上でも重要な要素ですよね。

 ただね、日本の一生懸命と、アメリカの一生懸命は微妙に違うんです。特に練習量の点で。これも日本みたいにガンガンやることがいいとも限らないですし......。とにかく心技体すべて揃ってはじめて活躍できるんだと、僕は思います。あとは、メジャーや日本の一軍で活躍する選手というのは、体が柔らかいんですよ。だから、ストレッチしている様子もちゃんとチェックしていますよ」

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