負け数が先行でも、上位球団がダルビッシュを緊急補強したがるわけ (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 前半戦で特筆すべきは、投手陣の活躍ぶりでしょう。メジャー1位のチーム防御率3.16をはじめ、WHIP(1.13)や被打率(.226)など、いずれも投手力を示す部門でトップの数値を記録しています。

※WHIP=被安打数と与四球数(与死球数は含まない)を投球回数で割った数字で、1イニングあたり何人の走者を出したかを示す数値。

 なかでも目立っているのは、リリーフ陣です。抜群の安定感を誇り、リリーバーの防御率2.88はナ・リーグ2位のシカゴ・カブス(防御率3.50)を大きく引き離すダントツの数値。先発陣が長いイニングを投げる必要もないほどリリーフ陣が磐石なので、前田投手が余裕をもって投げていても5回途中で降板させるケースもありました。

 今年のオールスターにも、ドジャースからはピッチャーが3人も選出されています。現在リーグトップの15勝(2敗)で勝ちまくっているクレイトン・カーショウ、11勝1敗と絶好調のアレックス・ウッド、そして4勝0敗・防御率0.88と驚異の成績でリーグ2位の24セーブをマークしているケンリー・ジャンセン。今シーズン、ドジャースは伝統の投手王国を見事に復活させたと言えるでしょう。

 7月19日のシカゴ・ホワイトソックス戦に先発した前田投手は、5イニングを5安打・1失点で守り抜き、今シーズン日本人最多となる8勝目(4敗)をマークしました。ドジャースも今季最長となる11連勝。最強投手陣の一員として勢いを止めずにコンスタントに投げているだけでも、前田投手はもっと評価されるべきだと思います。

4 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る