元ヤクルト同僚たちが感謝する、青木宣親の「青空バッティング教室」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 杉村コーチは青木について、「選手の見本です」と言った。


「野球に対する姿勢が素晴らしい。逆境から這い上がる精神力。練習をコツコツできる持続力。休みの日でもバッティングをしたいと言ってきたし、向上心が素晴らしかった」

 そして杉村コーチは「なんて言えばいいのかな......。ゴムマリみたいな選手だよね」と笑った。

「体は小さいけど、がっちりしている。打ち方はスマートとは言えず、内野安打だろうが、ポテンヒットだろうが、とにかくヒットになればいいという考え。格好つけることなく、そこは徹底していたよね。青木がプロ入りしてから、もう14年になるんだね。当時のセ・リーグは球場が狭いこともあり、打つポイントを前にしてホームラン全盛の時代だった。そのなかで青木は、ポイントを近くに置いて、初球から積極的に打ちにいき、追い込まれたらファウルでカウントを整え、四球を選んでいた。あの頃に"現代の野球"をやっていたんだよね。まだまだやれるだろうし、泥臭く青木らしいヒットを打ち続けてほしいね」

 宮出隆自(みやで・りゅうじ)打撃コーチは、現役時代の2004年から2008年まで青木と一緒にプレーし、プライベートでも食事に出かける間柄だったという。

「青木がプロ入りした当初は2000本を打つとは思わなかったですよ。でも、一軍で首位打者を獲ったときに、1500本は軽く打つだろうし、2000本にも届くだろうと思いましたね。一緒に練習をしていて、逆方向に強い打球を打ちたいという意識が伝わってきました。足が速いので、それを生かすための練習をしているんだろうなと。バッティング技術に対する向上心が常にあり、なによりバッティングの"コツ"をつかむのが早かったです」

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