WBC日本戦から絶好調のMLB右腕。
「体格のいい左打者がいたな」

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

──日本の打者はツーシームを苦手にすると言われています。シンカーボーラーのあなたは、あのゲームを通じてそれを感じましたか? 

「右打者のインコースをツーシームで攻めようというのが準決勝のプランだった。ただ、それは僕が常々やろうとしていることであり、日本打線に対してだけの攻め方というわけではない。インサイドにツーシームを決め、右打者に快適にスイングさせないのが僕のピッチング。左打者に対してもインサイドのボールゾーンからストライクになるツーシームを多用し、より軌道が真っ直ぐのフォーシームとうまく混ぜ合わせて使う。あの日もそういった攻めを心がけたのは確かだ」

──日本戦は中9日での登板でしたし、調整が難しかったのでは? 

「本当はマイアミでの第1ラウンドで1試合に先発し、その後にナショナルズの春季キャンプに戻るという予定だった。しかし、僕はWBCのチームに残りたくて、実際にそうなった。アメリカ代表でプレーを続け、『初優勝したチームの一員だったんだ』と胸を張りたかったんだ。

結果的に、中9日という異例の登板間隔で投げることになった。おかげで日本戦の前はいろいろ考え、不安もあったけど、とにかく集中しようと自分に言い聞かせた。自分らしく、無理をしないで投げようと思ったんだ。(バスター・)ポージーとバッテリーを組むのは初めてだったんだけど、彼がリラックスさせてくれて、上手に導いてくれたのも大きかったな」 

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