WBC日本戦から絶好調のMLB右腕。「体格のいい左打者がいたな」 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

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──WBCは、特に先発投手にとって調整の難しさが話題になりますが、ロアーク選手はどのように準備したのですか?

「例年よりも早くコンディション調整を始めなければいけなかったのは確かだ。母国のためにプレーするわけだから、中途半端な体調では出られない。ただ投げられるというだけではなく、完調な状態でなければいけない。そのことを考慮して、去年の10~11月頃からテニスボールを使って早めにトレーニングを始めていたんだ。オフの間にテニスボールを壁に向かって投げ、肩をいい状態に保つように努めた。おかげで今季開幕後もいい感じだから、今後も同じ調整方法を続けるかもしれない」

──調整方法の難しさから、アメリカには依然としてWBCの出場に積極的ではない先発投手が少なくありません。そんな中で、出場を決めた理由は? 

「実際には、他にも出場したいのに声がかからないピッチャーもたくさんいるんだ。母国のためにマウンドに立てる。過去にこんな経験を味わったことはなかったし、参加を要請されたのは名誉なことだ。僕はまだオールスターにも選ばれたことがないし、これだけスター揃いのチームに加われるのは素晴らしい経験になると考えた。チームには、メンバーが集まった初日から素晴らしい雰囲気が生まれ、仲間たちとはかけがえのない日々が過ごせた。WBCのことは今後も忘れることはないだろう」
 
──では、出場は難しい決断ではなかった? 

「悩む必要すらなかったよ。最初、(アメリカのGMを務めた)ジョー・トーリから電話をもらった時は何ごとかと思った。話してみたら、『ワールド・ベースボール・クラシックに出場しないか』という要請だった。『もちろんです! 他の何を差し置いても出ますよ』と即答したんだ(笑)」

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