まるでカーショウ。いきなり8勝した無名のロッキーズ22歳は何者か (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 センザテラの過去3年間のマイナーでの成績は、88試合に登板して41勝19敗。なかでも秀でていたのは、通算防御率2.45という安定したピッチングです。その武器を引っさげてメジャーデビューを果たすと、4月は3勝1敗・防御率2.81という新人らしからぬ抜群の安定感を発揮。いきなりナ・リーグの月間最優秀新人賞に選出されました。

 その勢いは5月以降も止まることなく、現在12試合の先発登板でリーグトップタイの8勝(2敗)をマーク。マックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ/7勝)やジェイク・アリエッタ(シカゴ・カブス/6勝)など、球界を代表するエースより多い勝ち星を挙げているのです。

 しかも驚くべきは、「バッター天国」と言われるクアーズ・フィールドを本拠地としながら、防御率3点台(3.56)をキープしている点でしょう。最速96マイル(約154.5キロ)の速球と、キレのあるスライダーやチェンジアップを織り交ぜたスタイルで、メジャーの錚々(そうそう)たるスラッガーを次々と打ち取っています。

 ロッキーズは現在、ナ・リーグ西地区で堂々の首位をキープ。1993年創設の新興チームですが、開幕から50試合の時点で32勝18敗という勝率は球団史上最高のスタートダッシュです。その最大の原動力となっているのが、ルーキーのセンザテラであることは間違いないでしょう。

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