ヤンキースに「快進撃の巨人」あらわる。
201cm新人打者が大暴れ

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 リンは1972年、USC(南カリフォルニア大学)時代に第1回日米大学野球選手権で来日し、関西大学のエースだった山口高志投手(元阪急ブレーブス)から特大ホームランを打つなど、日本野球とも関わりある人物。1975年にメジャー史上初となる新人王とMVPのダブル受賞を果たし、その快挙を次に成し遂げたのが2001年のイチロー選手(当時シアトル・マリナーズ)でした。当時、日本のメディアでもリンの名前が多く取り上げられたので、覚えている方も多いのではないでしょうか。

 ベニンテンディの本職はセンターでしたが、このポジションはジャッキー・ブラッドリー・ジュニアという若きスターの定位置となっているので、現在はレフトを守っています。ただ、レッドソックスの歴史上において、レフトというポジションは聖域です。「打撃の神様」テッド・ウィリアムズ、三冠王に輝いたカール・ヤストレムスキー、そして本塁打王3回のジム・ライスと、グリーンモンスターの前を守ったのは殿堂入りした名選手ばかり。ベニンテンディはその栄光のポジションでこれから新たな歴史を作っていくのかもしれません。

「フレッド・リンの再来」と呼ばれ、関係者が「10年にひとりのバッター」「将来、首位打者を獲るのは確実」と賞賛するベニンテンディは、ジャッジとともに成長著しい逸材なので、今後が楽しみなニューカマーです。今年のア・リーグはライバル球団同士でしのぎを削る、彼らふたりにぜひ注目してください。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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