MLBスカウトが見たイチロー。「控えでの起用がチームと本人のため」 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 攻守がややアンバランスなこのチームを、イチローは予定通りに控えとして支えることになる。主な仕事は、終盤の代打か、主力を休ませる際の代役スタメン。そのペースが変わり、出番が急激に増えるとすれば、過去2年同様、主力からケガ人が出た時か、誰かが極端な不振に陥った時だろう。

 誤解を恐れずに書けば、イチローが出ない時のほうが構想通りの状態だといえる。イチローの出番が少ないまま、地区ライバルのメッツに2勝1敗と勝ち越したニューヨークでのシリーズは、マーリンズにとって望み通りの形だった。43歳のスーパーサブのプレー機会の増減は、チーム状態を測るバロメーターに近いと言っていいかもしれない。

 イチローの状態自体はどうなのか。今季開幕前には例によって、「50歳まで現役を続けたい」というイチローの想いが地元メディアで取り上げられていた。しかし、競争が厳しいメジャーにおいて、本人の意思だけでプレーを続けられるわけではもちろんない。ポイントは43歳で迎えた今季もチームに何らかの形で貢献し、来季以降も契約オファーを得るだけの力を残しているかどうかである。

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