敬遠にドラマは必要なし。ルール改正にドライなメジャーリーグの発想 (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 また、3月2日には敬遠申告制と併せて、チャレンジ制度の時間を短くするためのルール改正も発表されました。チャレンジ制度とは、審判の判定に異議がある場合、ビデオ判定を要求する権利が与えられるシステムです。2014年から導入された制度ですが、メジャーリーグ機構はチャレンジを行使するまでの所要時間を30秒以内に制限することにしたのです。

 現在、リプレー検証の所要時間は、2015年は平均1分51秒、2016年は1分36秒でした。ただ、この数字はチームがテレビモニターで確認し、監督が審判に異議を唱えるまでの時間は含まれていません。よって、これに30秒という時間制限を設けたのです。

 日本では判定でもめた場合、責任審判が場内アナウンスでファンに説明しますが、メジャーではいちいちアナウンスしません。日本が丁寧に説明するのは、大相撲で物言いとなったときにファンに説明する慣習に由来しているのではないでしょうか。

 さらに、投球間隔を短くしようという案も出ています。過去2年間のマイナーリーグでは導入されており、メジャーリーグ機構は「投球間隔は20秒以内にしたい」と選手会に交渉しているようです。

 もしこれがメジャーで採用されれば、日本人投手には影響があるかもしれません。過去にも松坂大輔投手が指摘されていましたが、現在も岩隈久志投手や田中将大投手は平均より投球間隔が長いと言われています。アメリカ人投手の多くは総じて投球間隔が短いので、今後20秒ルールが適用される可能性も十分にありそうです。

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