気が早いけど...WBCで日本に立ちはだかる北中南米の凄腕メジャー選手 (2ページ目)

  • 杉浦透●文 text by Sugiura Toru
  • photo by Getty Images

アメリカ

 過去3回の大会でまだ優勝できていないアメリカは、「今度こそ」と錚々(そうそう)たるメンバーを招集した。特に攻撃陣のパワーはピカイチ。4番を打てる打者たちがずらりと揃う中で注目したいのは、ノーラン・アレナド(25歳・ロッキーズ)とポール・ゴールドシュミット(29歳・ダイヤモンドバックス)、ジアンカーロ・スタントン(27歳・マーリンズ)の3人だ。

 アレナドは、昨シーズンに打率.294、本塁打41、打点133の結果を残し、メジャーリーグのエリート打者へと成長。ゴールドシュミットは、巧みなバットコントロールに加え、大きな体に似合わぬ俊足で32個の盗塁もマークする身体能力の持ち主だ。2015年に13年総額3億2500億ドル(377億円)でマーリンズと契約したスタントンは、近年ケガに悩まされているものの、身長198cm、体重109kgの巨体を活かし、平均飛距離が140mのホームランを量産している。
投手陣は攻撃陣に比べると若干見劣りするが、マーカス・ストローマン(25歳・ブルージェイズ)やアンドリュー・ミラー(31歳・インディアンズ)など実績十分の投手もいる。

 ストローマンは172cm・81kgと小柄だが、平均150kmの速球と多彩な変化球を駆使する「攻撃型」のピッチャーだ。リードして終盤になれば、クローザーとして身長2mの左腕・ミラーが控える。角度のあるスリークウォーターからの速球と鋭く曲がるスライダーを武器に、昨シーズンは投球回74インニングで123三振を奪った。特に左バッターにとって、最大の脅威なることは間違いない。

 若きスラッガーのマイク・トラウト(エンジェルス)やブライス・ハーパー(ナショナルズ)、黒田博樹の元同僚で、「メジャー最強左腕」とも称されるクレイトン・カーショー(ドジャース)などは不参加となったが、それでも層の厚さは抜群。初の栄冠へ視界は良好だ。

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