元巨人のエドガーWBCメキシコ監督「レアードたちに期待している」 (2ページ目)

  • 杉浦透●文 text by Sugiura Toru
  • photo by Kyodo News

――日本のプロ野球からも、日本ハムのブランドン・レアードやルイス・メンドーサを招集しましたね。

「去年の日本チャンピオンチームから、ふたりを招集できたのは非常に大きい。ブランドンには5番か6番を打ってもらう予定で、ルイスにはリリーフとして期待しているよ。彼らは日本で大きく伸びた選手たちで、異文化にも適応することができている。国際大会では、異文化に精通した物怖じしない選手が必要なんだ」

――メキシコチームの目標、ライバルは?

「まずは1次予選通過を目標としたい。プールDで一緒になったチームは強者ばかり(ベネズエラ、プエルトリコ、イタリア)。初戦でぶつかるイタリアの実力が落ちると思う人もいるかもしれないが、前回大会でメキシコは5-6で負けているんだ。だから、全てのチームがライバル。一戦一戦必死で戦うよ」

――今回の侍ジャパンをどう思いますか?

「投打にバランスのとれた素晴らしいチームだね。個人的にも、多くの選手を知っているから愛着もあるし、どのくらい強いのかもよくわかる。大谷(翔平)選手が出られないのは残念だけど、層が厚いから勝ち残っていくと思うよ。決勝のカードがメキシコvs日本になったら嬉しいけど、できることなら最後まで対戦したくないね」

――侍ジャパンの強み・弱みを挙げるとしたら?

「ジャパンはMLBの投手陣を招集できなかったけど、それでもいい投手が揃っている。昨年11月の日本での強化試合で、そのピッチングを見ることができたのは貴重だった。制球力がいい投手ばかりだが、彼らが気をつけるべきなのは、ストレートで勝負する時にストライクゾーンに投げないこと。日本人投手のストレートは、体格に勝る海外の投手に比べると球質が軽いから、スタンドまで運ばれるリスクが高いからね。

 攻撃陣に関しては、これまでにないパワーを感じる。打撃練習を生で見たけど、メジャーリーガーに見劣りしないパワーヒッターが多くいることに驚いたよ。僕が巨人時代に親しかった坂本(勇人)選手の成長も、攻撃力の厚みにつながっている。

 日本は、とにかく先取点を取ることが大事だ。出塁を重視し、相手投手にプレッシャーを与えつつ、パワーヒッターがランナーを返すという戦略を徹底できれば、2大会ぶりの優勝が大きく近づくだろう。唯一の弱みをいえば、大舞台でのメンタルの揺らぎかな。日本の選手には高い技術があるから、自分を信じて堂々とプレーできれば何の問題もないけどね」

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