ファンの度肝を抜くWBC各国代表メジャーリーガーの「必見プレー」 (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 3人目はプエルトリコ代表、ヤディアー・モリーナ(セントルイス・カージナルス)の巧みなリードです。2006年と2011年にカージナルスを世界一に導き、2008年から2015年まで8年連続でゴールドグラブ賞を獲得しているモリーナは、球界ナンバー1のキャッチャーと言って間違いありません。

 2013年のWBCでも、モリーナの存在は際立っていました。特に準決勝での日本戦、モリーナは見事なリードで侍ジャパンを手玉に取りました。バッターの特徴をマスク越しに観察して瞬時に見抜き、2次ラウンドで1試合平均10得点を挙げた日本の強力打線を、わずか6安打1失点に抑えたのです。プエルトリコ代表のマイナーレベルの投手陣が一流投手に見えるような、まさに完璧なリードでした。

 モリーナのリードで特に注目してほしいのは、世界屈指のフレーミングです。フレーミングとは、キャッチャーがストライクゾーンぎりぎりのボール球を、審判にストライクとコールさせる技術です。

 昨シーズンのモリーナは、メジャー全体でもっとも多い外角の見逃しストライク(1109球)を捕りました。この数字は、いかに彼が審判にストライクと見せる技術が高いかを象徴していると思います。WBCでも対戦する相手バッターは、外角の際どいボール球に気をつけなければならないでしょう。ストライクゾーンぎりぎりの外角のボール球をどう捕るのか、モリーナのキャッチングに注目してください。

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