カブス上原浩治の新ポジション。「スーパーユーティリティ・リリーバー」とは?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 ボストン・レッドソックスからFAとなっていた上原浩治投手がシカゴ・カブスと1年契約をしました。現地メディアによると、年俸は600万ドル(約7億円)。来年4月で42歳になるベテラン投手に対し、カブスは最大級の評価で迎え入れたと言えるでしょう。ではなぜ、カブスは上原投手を早急に獲得すべく積極的に動いたのか――。まずは、カブスの現状戦力から説明したいと思います。

上原浩治のメジャー9年目はシカゴ・カブスでプレーすることになった上原浩治のメジャー9年目はシカゴ・カブスでプレーすることになった 今年、カブスは「108年ぶりの世界一」という奇跡的なシーズンを送りましたが、このオフの最重要課題はブルペンの補強にありました。

 というのも、7月にトレードで獲得したアロルディス・チャップマンがニューヨーク・ヤンキースに復帰。さらに、今季チーム最多の77試合に登板したトラビス・ウッドと、8月1日にロサンゼルス・エンゼルスから獲得したジョー・スミスもそろってFAとなりました。それに加え、ワールドシリーズ第7戦で最後のアウトを取ったマイク・モンゴメリーが来シーズンは先発に転向する予定。つまり、ブルペンに控えていた選手が続々と離れていくので、リリーフ投手陣の再整備が急務となっていたのです。

 そこでカブスは12月7日、カンザスシティ・ロイヤルズからクローザーのウェイド・デービスを獲得。さらにボルチモア・オリオールズからブライアン・ダンシング、ミルウォーキー・ブルワーズからカレブ・スミスを加え、リリーフ陣の充実を図りました。この補強によって、来シーズンのクローザーはデービス、セットアッパーはヘクター・ロンドン、7回のイニングはペドロ・ストロップが任されることになるでしょう。

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