エリートが極貧生活の末につかむ、メジャーリーグのGMという夢の仕事 (5ページ目)

  • 杉浦透●文 text by Sugiura Toru
  • photo by Getty Images

 日本のプロ野球(NPB)でも近年、GM制度を導入する球団が増えてきている。読売ジャイアンツの堤辰佳、横浜DeNAベイスターズの高田繁、中日ドラゴンズの落合博満、日本ハムファイターズの吉村浩の4氏がGMに就き、他球団でも編成部長やシニアディレクターなどが、肩書きこそ違うがGM同様の役割を担っている。

 こうした傾向は、MLBのGM制度を参考に、チーム編成と現場の役割分担を明確にしてチーム力を向上していこうという方針の表れといえる。しかしながら、NPBのGMもしくは相当する役職は、選手時代に輝かしい成績を残した者や、親会社の上級管理職が担う傾向が強い。さすがに、GMが現場へ介入したり、上から目線の主観的意見が通ってしまったりする例は減っているものの、根本的にMLBのGMとは異なる存在といっていい。

 日本のプロ野球がこの先、市場規模を拡大していくためには、野球のビジネス的な側面にも目を向けられる、新しい発想を持ったGMの台頭が待たれるところだ。ビジネスセンスに加え、外国人選手やMLB関係者とコミュニケーションがとれる言語能力に長けた人材がGMを務めるようになれば、NPBはさらに発展していくだろう。

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