若きエースの死、A・ロッドの「クビ」ほか、MLB今年の10大ニュース (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

【第9位】ターナー・フィールド、わずか20年で歴史に幕

 アトランタ・ブレーブスの本拠地「ターナー・フィールド」が今シーズンかぎりで役目を終えました。1996年、アトランタ五輪のメイン会場として完成。1997年に野球場に作り変えて、ブレーブスの新たな本拠地としてオープンしました。

 当時のブレーブスといえば、まさに黄金時代。投手陣にはグレッグ・マダックス、トム・グラビン、ジョン・スモルツの「先発3本柱」が君臨し、打撃陣ではチッパー・ジョーンズとアンドリュー・ジョーンズの「ダブルジョーンズ」が活躍していました。ターナー・フィールドが誕生したのは、ブレーブスがアメリカプロスポーツ史上最長の14年連続地区優勝(1991年~2005年)を成し遂げる最中の出来事です。

 しかしながら、立地条件が悪いという理由で、わずか20年で取り壊されることになりました。ターナー・フィールドはアトランタのダウンタウンから南に1マイル(1.6km)ほどの場所にあります。来シーズンから本拠地となる「サントラスト・パーク」は、アトランタの北西に位置する郊外に作られました。

 個人的に残念なのは、ブレーブスの歴史が詰まった場所から本拠地が離れてしまうことです。ターナー・フィールドは、その前に使っていた球場「アトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアム」のすぐ南側に建てられました。アトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアムは、1974年にハンク・アーロンがルースの通算714本塁打を抜いた歴史的な球場なのです。現在、その跡地は駐車場になっていますが、アーロンが新記録を樹立したホームランの落下地点は当時のまま残っています。

3 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る