前田健太、初のポストシーズンは余力十分。
強豪ナショナルズに挑む

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 前田投手はナショナルズとの対戦は初めてです。ディビジョンシリーズの第1戦と第2戦はワシントンで行なわれるため、前田投手が先発する予定の第3戦は本拠地ドジャースタジアムでの初のシリーズとなります。

 一方、もうひとつのカードの「カブスvs.ジャイアンツ」は、早々に決着がつくかもしれません。なぜならば、今シーズンのカブスはまったく隙のないチームだからです。

 中地区のカブスは、2位のセントルイス・カージナルスに17.5ゲーム差という圧倒的な強さで地区優勝を果たしました。今シーズンのメジャー最多となる103勝は、球団史上1910年(104勝)以来の勝ち星です。

 先発陣の顔ぶれも実に豪勢で、昨年のサイ・ヤング賞に輝いたジェイク・アリエッタ、チームトップの勝ち星(19勝)を挙げたジョン・レスター、初の最優秀防御率(2.13)タイトルを手にしたカイル・ヘンドリックス、そしてポストシーズンの経験豊富なジョン・ラッキーと、誰がディビジョンシリーズで登板しても勝ちそうな雰囲気。リリーフ陣には「人類最速の速球王」アロルディス・チャップマンも控えており、まさに万全の状態と言えるでしょう。

 そして打撃陣も、今シーズンのカブスは勢いがあります。今シーズンのMVP候補と称される24歳のクリス・ブライアントと、カンザスシティ・ロイヤルズの世界一に貢献した35歳のベン・ゾブリストがチームを牽引。ナ・リーグ1位のチーム出塁率(.343)も見逃せないデータです。

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