「田中将大がフォアボールを出さない件」について、全米で話題沸騰 (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 このような傾向にあるヤンキース投手陣のなかで、エースとして認められる条件とは、高い勝率を誇り、剛腕タイプで、かつコントロールがよいこと。まさに田中投手は、これらの条件にピタリと当てはまります。

 メジャー3年間の田中投手の通算成績は、38勝16敗・防御率3.11で勝率.703。この勝率は現役ピッチャーのなかでメジャー1位の数字です(50試合以上の勝敗を対象)。また、奪三振(440個)とフォアボール(79個)の通算比率は現在5.57で、これは1900年以降の近代野球で史上2番目に高い数字なのです(投球回数400イニング以上を対象)。今、田中投手の成績は現役最高といっても過言ではありません。

 今シーズンの田中投手は派手な活躍が少ないため、比較的地味にメディアで扱われています。しかし、実はものすごいピッチングを披露しているのです。残りシーズン、ぜひ田中投手のプレーに注目してください。

※数字は9月13日現在

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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