和田毅のライバルが大出世。高偏差値ピッチングで防御率トップを独走 (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 そして今シーズン、ロアークは先発5番手というギリギリのポジションで開幕を迎えました。すると、2年ぶりの先発ローテーション入りでモチベーションがふたたび上がったのか、開幕からコンスタントに勝ち星を重ねていったのです。その内容は素晴らしく、7試合の「7イニング以上・無失点」は現在メジャートップ。4月23日のミネソタ・ツインズ戦では、7イニングを投げて2安打無失点・15奪三振という快投も披露しました。

 ロアークの絶好調ぶりを示すデータとして紹介したいのは、「ハードヒットレート」の割合です。これは、いかに強い打球を打たれたかを示す数値で、『ファングラフ』というサイトによると、ロアークのハードヒットレートは23.1%。投球全体の4分の1しか強打を打たれておらず、メジャー全体でもっとも低い割合なのです。相手バッターのタイミングを崩すのが上手なロアークらしいデータだと思います。

 そのロアークのピッチングを支えているのが、ツーシーム、スライダー、カーブ、チェンジアップの4つの球種です。これらを使い分けながら、バッターのタイミングを微妙に外していきます。また、積極的にストライクゾーンを攻めるピッチングもロアークの特徴で、ナショナルズのダスティ・ベイカー監督は、「ロアークはハングリーな投手で、まるでウォリアー(戦士)のようだ」と語っています。

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