顔が怖い23歳がバレンズエラ級の快投。ア・リーグに驚異の新人現る (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 しかし、その移籍がハップにとって大きな転機となりました。プレーオフ進出を狙うパイレーツで先発のポジションを掴み、11試合の登板で7勝2敗・防御率1.85。かつての輝きを取り戻したのです。その結果、今年のオフには古巣のブルージェイズと3年総額3600万ドル(約43億2000万円)で契約を結ぶことができました。

 今シーズン開幕時、ハップは先発4番手という扱いでスタート。ところがオールスターまでに12勝3敗をマークし、シーズン前半だけで自己最多タイの勝ち星を挙げました。特に6月11日以降は10連勝を記録。11試合の先発で10勝を挙げたのは、ブルージェイズではロジャー・クレメンス、ロイ・ハラデイに次ぐ球団史上3人目の快挙です。

 そして、8月17日のニューヨーク・ヤンキース戦では17勝目をマーク。このペースでいけば、シーズン20勝も夢ではありません。関係者の間では、「今年のサイ・ヤング賞はハップ」という声も広がっています。昨年のパイレーツ時代からシーズンをまたいでちょうど1年間(2015年8月19日~2016年8月18日)の成績を計算してみると、なんと23勝4敗というとんでもない数字を残しているのです。ハップの大飛躍は、まさに今シーズン最大の驚きといえるでしょう。

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