3000安打は通過点。イチローも伝説の
「アンチエイジング選手」に

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 彼はホームランバッターなので、その記録についても触れなければなりません。3000安打をクリアした翌年には通算600本塁打を達成し、さらに2年後の1973年には700号をマーク。その後もヒットとホームランを打ち続け、42歳で現役を引退したときには3771安打・755本塁打まで記録を伸ばしました。ホームランバッターでありながらも、その安打数は当時タイ・カッブに次ぐ数字を残しています。

 そしてそのあと、衰えを知らない「アンチエイジングプレーヤー」として歴史に名を刻んだのは、1963年にシンシナティ・レッズでデビューしたピート・ローズでしょう。1978年5月5日、ローズは当時37歳で3000安打を達成しました。「デビュー16年目」というスピードでの3000安打達成は、ご存知のとおり、イチロー選手が今年成し遂げるまでメジャー史上最速年数でした。

 ローズは若いときから、カッブの通算安打記録を意識しながらプレーしていたと言われています。よって、彼にとっても3000安打はあくまで通過点。もちろん、ローズはその後も現役を続けました。

 3000安打を達した翌年にはフィラデルフィア・フィリーズに移籍し、208本ものヒットを打ってナ・リーグ2位の打率.331をマーク。1980年には自身3度目の世界一に輝き、1982年には41歳で全162試合に出場して172安打を放っています。そして1985年、古巣のレッズに復帰した2年目のシーズンに、ローズはカッブを超える通算4192安打までたどり着きました。

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