イチローを差し置いてオールスター初出場する「無名の外野手2名」

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

2016年オールスターゲーム注目選手@ナ・リーグ編

 近年のオールスターゲームの成績は、現在 ア・リーグが3連勝中。ナ・リーグとしては今年こそ勝利を掴みたいところでしょう。そのナ・リーグでは、一塁手(アンソニー・リゾ)、二塁手(ベン・ゾブリスト)、三塁手(クリス・ブライアント)、遊撃手(アディソン・ラッセル)、外野手(デクスター・ファウラー)の5部門でシカゴ・カブスの選手がファン投票トップとなりました。

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シンシナティ・レッズで一躍人気者となったアダム・デュバルシンシナティ・レッズで一躍人気者となったアダム・デュバル ただ、個人的にナ・リーグで注目しているのは、監督推薦で選ばれた「ふたりの無名外野手」です。まずひとりは、シンシナティ・レッズのアダム・デュバル。現在、23本塁打でナ・リーグ2位タイにランクインしている無名の27歳です。

  デュバルは2010年、サンフランシスコ・ジャイアンツからドラフト11巡目・全体348位という下位指名でプロ入りしました。メジャー関係者の間で注目 されていたわけではなく、毎年各チームが発表するプロスペクト(若手有望株)のベスト10に入ったこともありません。そのうえ、2012年には糖尿病と診 断され、インシュリンポンプをポケットに入れてプレーする状況に追い込まれました。健康面でも不安を抱えたデュバルにとって、メジャーへの道は非常に遠 かったのです。

 2014年にようやくメジャーデビューを果たすものの、出場わずか28試合で打率.192・3本塁打・5打点。彼の持ち味であるパワーをまったく披露できずにシーズンを終えました。その結果、2015年7月のトレード期限ぎりぎりにレッズへトレード。レッズ移籍後も好成績は挙げられず、昨シーズンまでのメジャー通算成績は打率204・8本塁打・14打点。メジャーでは全然通用しないという評価でした。

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