オールスター注目。ナックルボーラーの球を捕れるヤツはいるのか (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 そしてア・リーグでもうひとり注目したいレッドソックスの選手は、センターを守る26歳のジャッキー・ブラッドリー・ジュニアです。

  2011年、ドラフト1巡目・全体40位でレッドソックスに指名されたブラッドリーは、将来の有望株としてプロ入り前から注目された逸材でした。ところが2013年にメジャーデビューを果たし、2014年は127試合に出場したものの、打率.198とイマイチな成績に終わりました。

 その後、新人のムーキー・ベッツが台頭してきたため、センターのポジションを喪失。さらに同時期、チームがキューバ出身のルスネイ・カスティーヨと7年総額 7250万ドル(約73億1000万円)で契約し、鳴り物入りで外野手のポジション争いに加わってきたのです。それらの悪い流れにより、「ブラッドリーの居場所はなくなった」と誰もが思いました。2015年は74試合とさらに出場機会は減少し、打率.249と変わらず低迷。完全にトレード候補となってしまったのです。

 ところが今シーズン、チリ・デービスという打撃コーチの指導が転機となりました。バッターボックスでの心構えなどを諭されたことで徐々にバッティングが安定し、その素質がようやく開花したのです。4月24日から5月25日にかけて、今季メジャー最長となる29試合連続安打をマーク。その約1ヶ月の成績は、打率.415・8本塁打・30打点・OPS(出塁率+長打率)1.271という驚異的な数字を残しました。

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