イチローだけじゃない。ボンズ効果でマーリンズ打線が大暴れ (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 そしてもうひとつ、フィリーズの躍進を支えているのが、新しくクローザーを務めるジーンマー・ゴメスというベネズエラ出身の右腕です。メジャー7年目の28歳で、2015年1月にピッツバーグ・パイレーツから移籍してきました。ただ、当初は中継ぎとして重宝される程度のブルペン要員だったのです。

 それが今シーズン、新守護神に抜擢されると、開幕から早くも16セーブをマーク。開幕41試合で16セーブは球団新記録でした。彼の活躍もあって、今シーズンのフィリーズは1点差ゲームが14勝5敗でリーグ1位の勝率.737を誇っています。また、延長戦では4勝0敗の負けなし。接戦にめっぽう強く、チームを率いるピート・マッカニン監督には早くも、「今年の最優秀監督」との声が高まっています。

 4月に話題をさらったのがフィリーズなら、5月になってから急激に勝ち星を増やし始めたのが、イチロー選手の所属するマイアミ・マーリンズです。

 2010年から6年連続で負け越しており、昨シーズンも71勝91敗で借金20。そして今シーズンも開幕から5勝11敗とスタートでつまずき、首位ナショナルズから7.5ゲーム差も離されていました。さらに追い討ちをかけるように、4月29日には昨年のナ・リーグ首位打者・盗塁王のディー・ゴードンが禁止薬物の使用によって80試合の出場停止処分。貴重な1番バッターを失い、「今年のマーリンズは終わった」と誰もが思いました。

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